レシピ活用型の食育活動

食育活動をしている人の多くが、「レシピ提供」を活動の中に 含めていると思われます。

 

たとえば

  • 雑誌などに健康に関する記事を執筆する場合に、レシピを載せる
  • 飲食店のコンサルティングをする際に地産地消レシピを提供する
  • 農産物の販売促進のコンサルティングをする際に、その作物を使ったレシピを提供する
  • 食育講座のなかで、講座テーマに沿ったレシピを提供する
  • 食育的なレシピ本を出す

などなど…。

 

レシピは前衛芸術作品と よく似ており、販売するときの価格は かなりまちまちです。

 

一般には、料理的に有名な人が 作ったレシピは雑誌社などに 高く売れ、そうでない人の場合は かなり安く、無料だったりします。

 

ではレシピの品質が 料理的に有名な人とそうでない人とは 大きく違うのかというと、一概には答えられないようです。

 

このあたりが、 レシピと前衛芸術作品とで経済の構造が似ていると言われるゆえんです。

 

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食育活動に取り組んでいる人の中には

「レシピを高く買ってほしい、レシピ本も出したい」

と望んでいる人が少なくありません。

 

しかし、さきほど述べたように、レシピと前衛芸術作品とでは 経済の構造が似ています。

 

つまりレシピの内容よりも

「誰が作ったレシピか」

によって価格が影響されます。

 

そのため、将来レシピ本を出したいと思っている人のかなり多くが、

「本を出せば有名になれる。有名になれば本が出せる」

という、 タマゴが先かニワトリが先か的な堂々巡りを頭の中で繰りかえしています。

 

堂々巡りから脱出するために、

 

レシピ本を出すには(自費出版は別として)、まずは料理的に有名にならなければいけないと考える。

 

→そのために食の勉強をたくさんしなくてはならないと思いこむ。

 

→食の勉強に没頭する。

 

という行動に陥った結果、 果てしなく食の勉強を続け、「レシピ本を出す」という目的になかなか近付けない。

 

そんなネガティブ・ループに陥った人も見かけることがあります。

 

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ネガティブ・ループから脱出する方法として思い切って発想を転換してみてはどうでしょうか。

 

ネガティブ・ループにはまる原因の1つは、

「自分が作ったレシピを売りたい」

というこだわりにあります。

 

このこだわりを捨ててみるのです。

 

レシピを作る人は、たとえるならメーカー(製造業者)です。

 

大勢の人がレシピ開発に励んでいるということは、メーカーが多いということです。

 

メーカーが多ければ、商品が大量に生産されます。

 

すると、次に必要なものは何でしょうか?

 

そうです。次に必要になるのは、「流通」ですね。

 

「レシピ製造業者がたくさんいる」

という事実を利用し、自分がレシピを開発するのではなく、人が作ったレシピを「流通」させようとするビジネスが実際に誕生しています。

 

メーカーがたくさんいるのに、エンドユーザーに届ける仕組みがないのであれば、届ける仕組み(=流通)を考案した人がもっとも立場を強くします。

 

同様に、レシピ製造業者がたくさんいるのに、それを生かす仕組みがないのであれば、生かす仕組みを考案した人がもっとも有利になるでしょう。

 

その最たる例が、言わずと知れたクックパッドというわけです。

 

クックパッドに掲載されている個々のレシピの質は、本格的に食育ビジネスをしている人にとっては参考にならないものが多いかもしれませんが、レシピを「流通」させようとした事業アイデアは、たいへん秀逸です。

 

(正確には、クックパッドはレシピを「流通」させることでサイトのアクセスを増やし、広告収入などを獲得するという事業モデルになっています)